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【3月決算向け対策 ~役員借入金~】

以前、3月決算向けの節税メニューについて書きましたが、
今回は赤字の場合の役員借入金の整理についてお話します。

コロナ禍で赤字決算を余儀なくされる法人や、
役員に個人資産がある場合、役員個人から不足資金を借入する場合も多いかと思います。

役員からの借り入れには、利息も支払わなくても特に問題にならないし、返済もあるとき払いの督促なしときていて、こんな便利な資金調達はないですね!

しかし

その役員が亡くなって相続が発生した場合に問題となることが多いのです。

役員借入金は、法人から見ると借入金という負債ですが、役員個人から見た場合には貸付金という立派な財産となります。 つまり、相続税の対象となる相続財産となるのです。

他の資産はほとんどないのに、法人への貸付金だけが数億円もあるというケースも見受けられます。

仮に、法人への貸付金2億円(その他財産なし)、相続人は、配偶者なしで子供2人とすると、 相続税は、約3,340万円となります。

返してもらえるかどうかわからない法人への貸付金を引き継ぐことで、莫大な相続税が発生してしまいます。

こんな事態は、さけたいですよね!!

この場合の対策としては、

  • 役員報酬の減額
  • 債務免除
  • DES

の3つが考えられます!

1つ1つ詳しくお話していきます!

1.役員報酬の減額

役員報酬を減額することにより、

  • 社会保険料の負担が法人と個人の双方で減る
  • 役員個人の所得税・住民税の負担が減る
  • 役員が年金受給者の場合、年金が減額されずに済む可能性がある

といった効果が期待できます。

単に、役員報酬を減額するだけでなく、減らした分は手取り額が変わらないように、役員借入金の返済を行うことで、役員借入金を減らしていくこともできますし、役員の生活資金の確保も可能となります。

ただし!

役員報酬の減額分の経費が減りますので、その分利益が増える点は注意が必要です。

2.債務免除

債務免除とは、役員からの借入金のうち、一定額について債務の免除を受けることです。

債務の免除を受けると、法人の側では、債務免除益という特別利益が発生しますので、 利益が増加します。

赤字の年度や繰越欠損金の範囲内で実施することで、一気に役員借入金を減らすこともできますし、法人の単年度赤字幅も減らすことができます。

黒字の年度や繰越欠損金を超えて実施すると余分な法人税が支払うことになりますので、計画的に行うことが必要です。

3.DES(デス)

DESとは、Debt Equity Swap(デット エクイティ スワップ)の略で、
債権者の有する債権を債務者の株式に振り替えることを言います。

この場合は、役員借入金を現物出資し、対象法人の株式に振り替えるということになります。

個人からすると、金銭債権が株式に代わり株価の評価に変わります。
会社の業績次第で、上がる可能性もありますが、株に変わることで別の対策も立てやすくなります。

DESを実施する場合には、債務は時価評価されます。この場合の時価は、合理的に見積もられた回収可能額に基づき評価されます。

回収可能額が貸付金の額面額を下回る場合には、債務免除益が生じます。

債務免除益が繰越欠損金と相殺しきれない場合には、課税所得が生じますのでご注意ください。

債務超過会社の場合には注意が必要です。

ただ、民事再生法等の場合など、一定の事実が生じた場合は、期限切れ繰越欠損金と相殺ができます。

デメリットとしては、資本金がが増加することになりますので、 資本金が1000万円を超えてくる場合には均等割が上がることになります。

つまり、毎年の税コストが増えることになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

役員からの借り入れは便利な一方、役員がなくなった際に大きな問題となってしまうケースもあるので、今回お話した対策を行っておきたいですね。

役員借入金があり、もし今期赤字であるような場合にはいずれかのパターンを検討してみてはいかがでしょうか!?

節税や決算対策についてはこちら↓

著者情報

かなえ経営株式会社 代表取締役 佐野 元洋 プロフィール写真

この記事の著者

佐野 元洋 Motohiro Sano

  • かなえ経営株式会社 代表取締役
  • 焔(ほむら)綜合会計事務所 所長
  • 税理士・ファイナンシャルプランナー(CFP)
  • 奈良県中小企業家同友会所属 会内役職:副代表理事,青年部会直前会長
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